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活動報告

寄附意識醸成教育事業 実施結果報告【寄附のゼミナール in あいち2018】愛知県 平成30年度

目次

愛知県 平成30年度
寄附意識醸成教育事業実施結果報告
~寄附のゼミナール in あいち2018~

寄付のゼミナール2020の実施報告 >>寄付のゼミナール2019の実施報告 >>寄付のゼミナール2018の実施報告 >>

事業目的

寄附が進む社会を創っていく中で、子ども達に対する寄附教育を充実させていくことが重要であるが、日本では学校教育の中で、寄附について十分な学びがなく、寄附の成功体験(寄附を通して、社会課題の解決に参加する体験)の機会が非常に少ないといわれている。

NPOへの寄附を増やすためには、単に「寄附」を呼びかけるだけではなく、活動内容や成果を対外的にPRし、賛同や共感を広めていくことが重要である。
そこで、県民の寄附意識の醸成に向け、公募で選定したNPOにプレゼン研修を実施した上で、高校へ派遣し、NPOが取り組む社会課題や活動の内容のプレゼン等を行うことで、

高校生が寄附を通じた社会貢献活動を考える特別授業を行う。

寄附のゼミナール in あいち2018 
事業実施期間 平成30 年6 月20 日~平成31 年2 月28 日

実施概要

  1. 寄附のゼミナール in あいち2018事業として、以下の取組みを行った。
  2. NPOを対象にしたプレゼンスキルや、効果的な資料の作成を学ぶ研修を実施するため、研修に参加するNPOを公募し、9団体を選定する。
    選定されたNPOを対象に、プレゼンスキルや、効果的な資料の作成を学ぶ研修会を開催
  3. 愛知県が指定する県立高校3校を訪問し、ワークショップ形式で、高校生が多様な 価値観で寄附先を選定する寄附のゼミナールを実施
  4. 寄附のゼミナールの中で、プレゼン研修を受けたNPO(各校3団体)が、取り組む社会課題や活動内容を紹介
  5. 寄附のゼミナールの中で、選定NPOによる特別授業を実施
  6. 事業実施報告書の作成

実績

NPOを対象にしたプレゼンスキルや、効果的な資料の作成を学ぶ研修 に参加するNPO を公募し、選定する

募集期間、募集・応募数

①募集期間
 平成30 年6 月29 日(金)~7 月31日(火)

②対 象
 地域課題に取組む県内のNPO 団体

③募集団体数
 9 団体

④募集説明会開催
 2 会場(名古屋会場、豊田会場)
 ・7/17 名古屋会場 参加:3 団体
 ・7/19 豊田会場 参加:5 団体

⑤応募総数
 16 団体 (名古屋市;3 団体、尾張:4 団体、三河:9 団体)

所感

寄附のゼミナール in あいち2018 は愛知県として初めての取り組みであり、又、知事による記者会見まで詳細をチラシに掲載が出来なかったため、NPO 団体には「寄付のゼミナール」のプログラムの良さが伝わり難い側面がありました。
しかし、説明会や、個別の説明でNPO 団体にとって大変有効なプログラムであることが理解され最終的に16 団体の応募になりました。
寄附のゼミナール in あいち2018 の活動でNPO 団体には広く有用性が伝わり、是非、次の機会があれば参加したいとの声をたくさん頂いております。

選定されたNPOを対象に、プレゼンスキルや、効果的な資料の作成を学ぶ研修を開催する

専任講師による講座開催

①開催日時:平成30 年8 月25 日(土)10 時~12 時

②開催場所:ウインクあいち会議室(名古屋市)

③講 師:2 名

  • 西村 健氏 (日本ファンドレイジング協会・東海チャプター共同代表、日本ファンドレイジング協会認定ファンドレーザー)
      演題:「NPO活動資金の効果的な獲得について」講演後質疑応答にてNPO団体の質問に答える
  • 戸成 司朗氏 (特定非営利活動法人中部プロボノセンター共同代表理事、日本ファンドレイジング協会準認定ファンドレーザー、社会貢献教育ファシリテーター)
      演題:「伝えるから伝わるプレゼンテーション」

④参加団体:8 団体10 名

プレゼン作成研修

①開催日時:

9 月18 日(火) 10:00~12:00  
 3 団体(認定NPO法人花やか豊田プラント、認定NPO法人パンドラの会、Child Needs Home)

9 月19 日(水) 10:00~12:00  
 3 団体(マタニティ研究会、あいち国際理解教育ステーション、NPO法人社会復帰支援アウトリーチ)

9 月21 日(金) 10:00~12:00 
 3 団体(NPO法人子どもNPO、NPO法人みち、NPO法人アジャスト)

②開催場所:あいちNPO交流プラザ 会議室

③講 師 :戸成 司朗 氏
(特定非営利活動法人中部プロボノセンター共同代表理事、日本ファンドレイジング協会準認定ファンドレーザー、社会貢献教育ファシリテーター)

④内 容:事前にプレゼン予定の原稿を提出してもらい、研修会当日講師より具体的にプレゼンのスキル磨きやスライド作成等の研修を実施 → 高校生に「伝える」から「伝わる」プレゼン資料の作成

参加団体満足度

 3.9 点(5 点満点)

所感

合同研修はファンドレイジングの基本とプレゼンスキルの研修であり、内容的には、参加NPO 団体から高い評価を得たが、両方とも、演習を入れてより実践的な経験が求められました。

個別のプレゼンテーションのアドバイスも内容的には充実していたが、参加NPO 団体からはもう少し時間が欲しいとの声あり、全体の研修時間を多く確保すべきかと感じました。

しかし、各NPO 団体は研修前と後では見違えるほど、相手に伝わるプレゼンテーションに成っており、団体から感謝の気持ちが届いております。

愛知県が指定する県立高校3 校を訪問し、ワークショップ形式で、高校生が多様な価値観で寄付先を選定する「寄附のゼミナール」を実施する

対象高校と実施日程

愛知県立高校名

実施日時

対象生徒
人数等

参加NPO

杏和高等学校
(稲沢市)

1 コマ:10/18(木)
14:15~15:00

2 コマ:10/22(月)
15:10~15:55

3 コマ:10/29(月)
15:10~15:55

3 年生
総合的な学習の時間で実施
83 名

・NPO法人アジャスト(一宮市)

・NPO法人社会復帰支援アウトリーチ (一宮市)

・Child Needs Home(豊田市)

愛知商業高等学校
(名古屋市)

1 コマ:11/5 (月)
9:40~10:30

2 コマ:11/7 (水)
13:20~14:10

3 コマ:11/14(水)
13:20~14:10

3 年生
課題研究受講生徒
35 名

・NPO法人こどもNPO(名古屋市)

・認定NPO法人パンドラの会(刈谷市)

・あいち国際理解教育ステーション(名古屋市)

豊田東高等学校

1 コマ:10/30(火)
13:20~14:10

2 コマ:11/8 (木)
8:50~9:40

3 コマ:11/8 (木)
9:50~10:40

3 年生
ビジネスプランの生徒
29 名

・NPO法人みち(豊田市)

・認定NPO法人花やか豊田プラント(豊田市)

・マタニティ研究会(豊田市)

②協賛団体:3 団体から協賛金の提供 (30 万円/1 団体)

  • 株式会社クレディセゾン東海支社 (杏和高等学校開催)
  • 一般財団法人住友理工あったか基金 (愛知商業高校開催)
  • 豊田商工会議所 (豊田東高等学校開催)

授 業

時 間

内 容

進め方

1 コマ

50 分

・講師より寄附をとりまく環境について

・3 つのNPO団体より団体の活動についてプレゼンテーションを行う(7 分/1 団体)

・講義形式

・課題や活動内容などを生徒はメモする

2 コマ

50 分

・講師より1 コマ目で説明した3 団体の内容を振返る

・グループ(5 名/1 組)をつくり、団体について互いの意見を交換し、聞きあう

・寄附投票券に自分が支援したい団体の名前と理由を記入し、投票する。

・一人1 票の投票券を配布する

・グループでの話合いでは、他人の意見を否定しない

・自分の考えで投票

3 コマ

50 分

・協賛団体よりNPO団体への寄付金目録贈呈

・生徒から投票した団体へのコメントをいう(2,3 名/団体)

・支援したい団体ごとに分かれて、団体と生徒との意見交換

・授与式開催、協賛団体からも感想を聞く

・生徒から団体に直接質問や感想を話す

寄附のゼミナール実施結果

①杏和高等学校 83 名 ※(N)=特定非営利活動法人 団体名

アピールポイント

得票数

寄附金額

寄附金活用先

(N)アジャスト

外国籍の児童生徒に対する生活・学習支援

10 票

36,144 円

オープンキャンパスの実施費用

(N)社会復帰支援アウトリーチ

引きこもり等社会復帰できない若者への在宅ワーク支援

19 票

68,675 円

イラスト展、社会見学の実施費用(在宅ワーカー)

Child Needs Home

アジア(ミャンマー等)の子どもたちの自立支援(教育支援)

54 票

195,181 円

ミュンマーの子供たちの就学、職業訓練費用

H5見出しa
【プレゼンするNPO】 【NPOのみなさん】 【支援したNPOとの意見交換】

②愛知商業高等学校 35 名

 

アピールポイント

得票数

寄附金額

寄附金活用先

あいち国際理解
教育ステーション

小中高校等における国際理解教育ワークショップ開催

5 票

42,857 円

国際理解ワークショップ実施費用

(N)子どもNPO

子どもの社会参画促進など子どもたちを対象とした活動

12 票

102,857 円

子ども食堂の運営費用

認定(N)パンドラの会

発達障がいがあっても働きつづけられる社会づくり

18 票

154,286 円

「コミュニケーション」を楽しく試すワークショップ実施

③豊田東高等学校 29 名

団体名

アピールポイント

得票数

寄附金額

寄附金活用先

(N)みち

誰もが(障がい者含む)住み慣れた地域で活躍できるように

13 票

134,483 円

障がい者製作木工品販売PR 用のパソコン購入

認定(N)花やか
豊田プラント

花かざり運動を通して、豊田市を潤いのあるまちに

9 票

93,103 円

花かざり事業の維持管理(電動台車等)費用

マタニティ研究会

安心・安全な出産と育児を応援、家族みんなの笑顔が目標

7 票

72,414 円

産後ケア事業準備(研修等)費用

事業全体を振り返って(事務局からの総括)

今回の「寄付のゼミナール」事業の特徴は何といっても、参加NPO 団体からも、参加高校からも大変高い評価を得たことです。
特に、参加したNPO 団体から総合で4.8 点の評価を得たことはただ単に寄付金授与されたプログラムではなく、団体にとって、自分たちの活動を改めて整理、見直す良い機会になったこと、又、団体内部でも良い効果を与えたことなど、多くの得るものがあった事業だと思います。
また、高校にとっては、大変時間の確保も含め負荷のかかるプログラムだったと思いますが、それを超えて4.6 点の評価を得たことは、先生方に高校生たちに従来の授業では体験できない多くの気付きをもたらしたプログラムとして受け止めていただいたのだと思います。

次機会があれば、愛知県下の多くのNPO 団体から参加の希望があると思われます。その節は事前研修の時間をもう少し多くすることでより満足度が高まるものと思います。

最後に、事業実施にあたり、多大なるご尽力を頂いた、愛知県社会活動推進課の皆様に感謝申し上げます。

参考

参加NPO団体アンケート

(1) 団体回答:9 団体10 名

(2) 「寄附のゼミナール」全体の満足度 4.7 点(5 点満点) *89%が大変満足

  • 高校生に自分たちの活動を伝える機会となった。その方法も学べた
  • 私たち自身が寄附の重要性や可能性について多くの気づきをもらえた
  • 団体の活動を高校生たちに共感してもらうために、若手職員とともに内容を考えていったことが、自分たちのプレゼンの蓄積となり、若手職員の経験の場にもなった。高校生からの励まされるメッセージには、他の職員も力をもらった。

(3)「寄附のゼミナール」の授業についての満足度

授業でのプレゼン:4.0  ②寄贈式;3.3  ③生徒との意見交換;4.1(名)

  • 地元高校生に法人のこと、事業のことを知っていただける機会となったことがとても嬉しい
  • 団体の活動を高校生たちに共感してもらうために、若手職員とともに内容を考えていったことが、自分たちのプレゼンの蓄積になり、若手職員の経験の場にもなった。また、高校生からの励まされるメッセージには、他の職員も力をもらった
  • 出会う事のない世代や人々に私達の活動を聞いていただけて興味を持っていただけた事はとてもよい経験になった。来年も仲間が頑張ろうと言ってくれれば挑戦していきたいと思う

参加高校アンケート

(1) 高校回答:3 高校 10 名

(2) 「寄附のゼミナール」授業の満足度 全体:4.6 点(杏和高校;5.0 点、豊田東高校;4.0 点、愛知商業高校;4.7 点)

  • 生徒に対して地域の様々な活動に目を向けさせることは意義がある
  • 寄附について大変わかりやすくご説明いただけた
  • 内容はどれも衝撃的で考えさせられるものばかりだった
  • 一人一人が投票する体験ができ、とても意味があったと感じた
  • グループワークはもう少し企画をしっかりしたほうが充実した意見交換となったのでは

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